Well-being, Well-aging
ウェルエイジング経済フォーラム
7 Action area
人生100年時代のウェルビーイングに必要な、年齢に捉われないものの見方、考え方からSTI、サステナビリティ経営まで、主に7つのエリアを推進するための政策提言、官民連携プロジェクトを進めています
①Mind set
#Combat Ageism
Action area① エイジフリー X マインドセット
年齢に対する価値観をリデザインする議論、啓発の場としてフォーラム・WSを開催
生き方や就労・学習機会、コミュニケーション、他人の生き方まで年齢制限・分断していませんか。
日本社会に底流するエイジズム(年齢差別・年次主義バイアス、加齢へのネガティブマインド)は、社会的・精神的・身体的Well-beingを低下させることが証明されています。生き方、働き方はもちろん、サードプレイスとしてのコミュニティ参加の年齢制限、企業においては新卒一括採用、中途採用、留学など学習における年齢制限のほか、組織では年功序列、厳しい上下関係などによる風通しの悪さが前例踏襲やイノベーション創出の阻害要因となっているのが現状です。社会的な孤立・孤独、世代間の分断の要因のひとつでもあります。
幸福度世界一の国、フィンランドには、「エイジズム(年齢差別・年次主義)」という言葉すらありません。100年時代の日本に先ず必要なのは、年齢や世代、既存の価値観、固定観念の枠を超えて主体的に生き、自立し、共生・協働するマインドセット、意識の醸成ではないでしょうか。2021年度は脱エイジズムの重要性が掲げられている国連SDGs第二版についてWHO職員より超高齢社会に必要なマインドとして講演を企画・コーディネート。2022年はリンダ・グラットン氏やフィンランド大使館、官僚、企業、アカデミアの方々とともに当フォーラムにてディスカッション、第三の多様性として脱エイジズムとエイジダイバーシティの重要性を喚起・啓発いたしました。今後も様々な企画をしていきます。
Action area② エイジフリー X 働き方
変革の時代を生き抜き、イノベーションを起こすための生き方、働き方のリ・デザイン
企業組織やビジネス、個人の生き方の前例踏襲はどこから生まれるのか?多世代型の組織やチーム、コミュニティはWell-beingが高まり、成果が上がります。ここで重要なことは、エイジダイバーシティとは個人のエイジフリーなマインドがあってこそ。新規事業創出などクリエイティブな仕事をするにあたり、いくら組織に世代の頭数や新たな制度を取り入れてもマネジメント層(中間管理職)のマインドやルールがこれまでと同じでは、成果は限定的です。
2022年度の当フォーラムではLIFE SHIFT~100年時代の人生戦略の著者、リンダ・グラットン氏(写真)より、変革の時代、日本企業に必要なのは、世界の先進国に比べ遅れている女性活躍の推進に加え、年功序列、年次主義という世界では極めて珍しいタイプのエイジズムについて触れつつ、企業の組織ではマネジメント層の意識改革が重要であり、これまでのルールややり方、前例を踏襲するのではなく、時代の変化に対応し、新たな考え方、試み、変化に柔軟であること。過去のやり方や年次・ポジションに捉われトップダウンのままではなく、一人一人が主体的に考え、常に学び、リスキリングし、力を出し合うことが大切であること。100年時代のマルチステージ化する人生においてパワーとなる資源とは無形資産であり、家族や職場以外の人とつながりを持ち、いくつになっても健康で、インテリジェンスをアップデートしながらリスキルし個人も企業も発展し続け、ひとつの企業に依存するのではなく、年齢、前例に捉われずインデペンデントに生きていくことが重要であるとの提言をいただきました。
②Redesigning work
③STI for Well-being
Action area③
エイジフリーX 教育、科学技術・イノベーション
次のアップル、テスラを探せ!
Well-being & Age-tech Award を開催
超高齢社会のWellbeingと包摂性を高める科学技術・イノベーションの発掘・活用推進を目指し、Well-being&Age-tech Awardを開催。当団体でデジタル大臣賞を授与し、さらなる発展と世界展開を支援いたします。
当アワードを通し、日本には多くのエイジテックがあると同時に課題解決に尽力されている研究者・企業が数多くあることがわかりました。世界一少子高齢化が進む日本においてこのことは大きな強みになります。政官民産学が力を合わせ、事業や研究を育成・活用推進していけば同じ課題を持つ国々に貢献・リードしていくことが可能ではないでしょうか。世界に展開可能なイノベーションは万博協会に共有させていただき、評価が高ければ世界に発信できる機会につながる可能性もあります。当団体のデジタル大臣賞を授与したスタートアップはシンガポール政府派遣のエイジテック視察団の視察テックとしてJETROでプレゼン機会を提供いたしました。そのほか、入賞企業にはご要望により自治体との協働機会や海外アカデミアとの共同研究コーディネート、イノベーションの共創展開のためのコンサルティング支援をいたします。 *無料でのコンサルティングは限りがありますのでご相談ください
Action area④
エイジフリー X 街づくり・地方創生・国土の安全保障
エイジ・フレンドリーで、持続可能な都市環境と国土
小さな子どもや妊婦、ハンディキャップ、高齢者にやさしい街つくり、毎日を健やかに過ごせる持続可能な都市環境、国土の安全保障を目指します。
この狭い日本において7割の自治体は公共交通が不足しています。道路や公共施設、設備は車いす対応ではなく、ちょっと歩くのが不自由になったり、歩きにくくなるだけでも家から気軽に外にも出られません。高齢者の運転ミスによる事故は後を絶たず、毎年子どもが犠牲になる事故が発生しているのが現状です。
バリアフリーな街づくりや自動運転、Maas、介護施設、医療、介護、コミュニティ、住宅設備、農と食、エネルギー、教育、暮らしのすべてが街にあります。当団体では、まちづくり分科会を立ち上げており、自治体、企業が協働、実証から実装するための活動を支援予定です。
既に北海道の10%が中国の土地!?
日本は国土の売買に関する規制がなく、森林・水資源を外国人がいくらでも購入可能な珍しい国です。観光資源に恵まれ行きたい国世界一になってから円安もあり、外資参入で潤うのは良いことですが、持続可能性を考えると行き過ぎの点もあります。まちづくり、地方創生は国土の安全保障にもつながることから、こちらについても議論、提言していきます。
④#Age friendly city
⑤lntegrated health
#Longevity
写真 日本初の医療ICTラウンドテーブルを開催 衆議院議員会館国際会議室
Action area⑤
エイジフリー ✖ 医療・介護・健康寿命延伸ヘルスケア
健康管理は、危機管理。
生涯をエイジフリーに生き、QOLを向上させる持続可能な医療、ヘルスケアとは
統合ケア
超高齢社会を考える上で医療、介護などヘルスケア分野は外せません。医療経済的視点を持ち、予防、医療・介護におけるICT及びデータの利活用、終末期の在り方を含め、包括的に考えます。日本には国民皆保険があり、誰もが平等に医療を受けられるシステムがありますが、医療費の増大により今のままでは持続性が危ぶまれます。取捨選択も必要でしょう。医療費は増加の一方で、生涯で使う医療費のほとんどは75歳以上になってから。年間40兆円以上の税金が投入され、その多くは製薬会社に支払われています。認知症薬など、日本人には効かず、費用対効果がゼロと判明しても国内の病院では投薬が継続されているなど、課題は山積しています。若いころからの予防や医療・健康データの利活用はもちろん、超高齢社会における高度医療や終末期、健康長寿についても議論し、見直しが必要です。人間は本来、食べられなくなったら死ぬ生き物ですが、現代の日本では食べられなくなっても生かし続けることが美徳とされており、胃ろうなどは海外では虐待とされているなか、65歳以上の高齢者のうち91.1%の人が「延命のみを目的とした医療は行わず、自然に任せてほしい」と回答するにも関わらず、家族の7割は延命治療を望んでおり、乖離が生まれています。延命・高度医療はどこまでするのか、そしてその医療費のツケをこのまま次世代に遺していいのか、そして「老化を病気」とする新たな研究の推進も含め、次世代と未来の自分自身のためにも議論と制度改革、ここでも個人の意識改革と主体性が必要です。
Action area⑥
エイジフリー ✖ 地球環境、気候変動、農と食・エネルギー
次世代に受け継ぐ、持続可能な環境と社会循環・金融システム
プラネタリーヘルス、グローバルヘルス
循環を気候や資源、食物から考えて見ると、経済活動が生み出すCO2等により気候変動とともに世界規模で災害が増加中です。日本でも世界でも被害に遭う多くは高齢者や子どもであり、国内の老後の不安の4位に災害がランクイン。また、世界ではブラックダイヤモンド*(映画)のように資源のための紛争や不正取引が相次ぎ、貧困や少年兵が生まれ、その援助のため国連を通して製薬会社から多大な医薬品・ワクチンが今も支給されています。ウクライナや中東危機の再燃中に現地でコロナのような新たな感染が発生すると、多くの被害は子どもと高齢者に及ぶでしょう。
身近な食卓では、例えば牛肉1キロのための飼料となるトウモロコシは11キロであり、トウモロコシを主食とする国の食料を日々消費していることになります。国内ではEUで禁止された農薬や添加物を使用し輸出できない農水産産物も山ほどあります。食糧に関しては輸入してまで食べ残す稀な国です。これは真の豊かさと言えるのでしょうか。SDGs、脱炭素、統合報告書などの掛け声のもと、この10年でかなりの改善傾向がありますが、まだまだ改善の余地があり、その鍵となるのも、一人一人の日々の選択、マインドにあるのではないでしょうか。
当団体では、これらの地球規模課題に取り組む団体の方々をフォーラムのコメンテーターとして意見、提言をいただくなど、アドボカシー活動の一助となるべく活動を継続するほか、ウェルビーイング&エイジテックアワードの入賞テックで途上国の課題を解決するヘルステックとして活用できるテクノロジーも支援しています。
⑥Planetary health,
Global health
写真 千葉県大山千枚棚田での田植え with 農水省有志 NINO Farm
⑦ #Sustainability
Management
写真 2024/ 8/ 26 サステナビリティ経営分科会 @トムソン・ロイター
左からトムソンロイターCEO 三浦、金沢工業大学大学院教授 杉光一成、ウェルエイジング経済フォーラム代表理事・ファウンダー 佐藤ゆみ、金融庁政務官 神田潤一、金融庁CSO 池田賢志、みずほ証券サステナビリティエヴァンジェリスト 清水大吾、モルガンスタンレー証券シニアエコノミスト ロバートフェルドマン(敬称略)
Action area⑦エイジフリー✖ 経済・金融
「サステナビリティ経営」協議会を発足
高齢化=衰退と考えられていますが、第一回の当フォーラムでレクチャーいただいたイエール大学助教授の成田悠輔氏(写真)によると、同じく高齢化しているドイツ、スエーデン、シンガポール、韓国は徹底的な機械化、DX化、労働市場改革などにより経済成長しています。日本は他の国に比べ高齢化率が高く、多様かつ複合的な社会課題を抱えていますが、世界一の超高齢国家であることは課題先進国であり、その解決は世界の課題解決につながります。私たちは弱みを強みに、危機をチャンスに、未来へのネガティブマインドをポジティブに変えるべく、次世代に受け継ぐ持続可能な社会、ウェルビーイングと包摂的成長を実現するため、「ウェルエイジング”経済”フォーラム」としました。
SDGsの本懐である包摂性。包摂的成長のカギは、課題解決型の新たな成長と分配の新たな仕組み化にあると考えます。IT革命後の2009年より、今後は国と国、パブリックとプライベートをはじめ、あらゆる境界線がなくなっていく、なくしていくことを踏まえ、官民での知の共有と政策提言の場として政策座談会を立ち上げました。今の日本は財政的にも過去にパブリックセクターがしてきたサービスをパブリックのみで提供しきれる状態になく、社会課題解決のためにはプライベート企業との協働、共創が必要です。
金融庁のサステナビリティ情報開示の義務化に伴い、国内外の官民でこれからのサステナビリティ経営の在り方を共有・ベストプラクティスを選出するWG及びコンソーシアムを企画中です。企業が共に地球規模課題や女性活躍の遅れなどに現れる昭和カルチャーをはじめとした日本の社会課題の解決を目指せる、新たな成長と分配の仕組みのひとつと言えます。今後どんな経済・金融、企業経営のアプローチが可能か政策も含め議論し、提言、アクションしていきます。